コロナ禍で部屋に籠る日々が続いた小平は、あらためて住み慣れた自分の部屋を眺めて見た。木造モルタルの薄暗く狭い空間には、写真の道具と日用品が混在し溢れ返っていた。一方、窓の向こうの世界では、何事も無かったかのように木々や鳥たちが輝きを放ちながら、生命のサイクルを繰り返していた。 暗い小部屋をモノクロフィルムで撮影したセルフポートレートと、窓から見える外の世界をデジタルのカラーフォトで対比させた異色の作品集。 ソフトカバー　本文68ページ　 写真図版100点 ※この商品はふげん社のネットショップ、ギャラリーでも購入できます。 https://fugensha-shop.stores.jp/items/63d601ad34e0171ebc17156a ＜書店様へ＞ ご注文・お問い合わせは CONTACT より承ります。

いつもきっかり同じ時間に、同じ交差点を、同じ服装で駆け抜けてゆく青年がいることに気付いた。その存在に魅せられ、そっと後ろ姿の撮影を始める。2019年春から2020年のコロナ禍によって姿を見かけなくなるまでの1年間の記録。 版型：23cm x 22.5cmｘ0.7cm 64ページ　 図版点数54点 ソフトカバー　ダブルトーン　デザイン 細野一三 ※この商品はふげん社のネットショップ、ギャラリーでも購入できます。 https://fugensha-shop.stores.jp/items/6392f7de8d26fa7b6a0ba923 ＜書店様へ＞ ご注文・お問い合わせは CONTACT より承ります。

「他なるもの」というタイトルは、ドイツの宗教哲学者R.オットーが『聖なるもの』（1917年）の中で、非合理的である聖性の本質として提示した概念「ヌミノーゼ（畏怖と魅惑という両義的体験を引き起こす神秘）」を示すために用いた「全く他なるもの」という表現に由来しています。 …撮影は直感の中にある。…理由がわからなくとも対象から受け取った感覚を信じること、例えば胃が少し引っ張られるような鈍い違和感、それが過ぎ去る前に撮っておく。ひどく繊細な無意識からの信号は様々なかたちで現れ、方法として確立しないが、撮影を繰り返すことで未知の感覚、又は長い間忘れていた感覚へ降りてゆけるような気がする。小平雅尋（個展に際し寄せた文章より抜粋） 2015年のタカ・イシイギャラリー　フォトグラフィー／フィルムでの同名の個展に際して制作された作品集。 倉石信乃によるテキスト「等距離についてー小平雅尋の写真」所収 ソフトカバー　268 x 210 mm　36頁、掲載作品28点　2015年　タカ・イシイギャラリー　フォトグラフィー／フィルム刊 ※この商品はshashashaオンラインショップでも購入できます。 https://www.shashasha.co/jp/artist/masahiro-kodaira

気の向くままに撮り歩いていると、理由はわからないが眼が引き付けられることがある。違和感を覚えながらもカメラを構え、幾つかのダイアルを操作しながら心の的を絞ってゆく。何故私はそれを見たのだろうか。気が付けばすでにそれを見ていたし、今もまだ見ている。こんなとき大抵は「気が向いた」という言葉で済ませるかもしれないが、よくよく考えるとこれは恐ろしいことだ。気が向いたのは本当に私なのだろうか。そもそも私はその対象をどのように見始めたのだろう。眼が捉えてから物事に気付いている事実に動揺する。 私の意識が気付く前に、視野を見渡し事態を把握する＜何か＞がいる。意識にそれを見ろ、判断しろと促し続ける、もう一つの隠れた存在。 2017年9月　小平雅尋 2018年のタカ・イシイギャラリー　フォトグラフィー／フィルムでの個展に際して制作された作品集。 ソフトカバー 190 x 190 mm　48頁、掲載作品36点　 2018年 タカ・イシイギャラリー　フォトグラフィー／フィルム刊 言語　英語、日本語 光田ゆりによるテキスト「出現するもの―小平雅尋の写真」所収 ※この商品はshashashaオンラインショップでも購入できます。 https://www.shashasha.co/jp/artist/masahiro-kodaira